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食道がん・胃ポリープ・胃がん

食道がん・胃ポリープ・
胃がんについて

食道がん・胃ポリープ・胃がんについて消化器の病気の中でも、食道がんや胃がんは日本においても比較的多く見られる疾患です。
これらのがんは、早期発見が鍵となる疾患であり、症状が出た頃にはすでに進行していることが少なくありません。一方、胃ポリープは多くの場合良性ですが、中には悪性化する可能性のあるものもあります。いずれも定期的な検査による早期発見と早期治療が非常に重要です。
当クリニックでは、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化管学会胃腸科専門医による高度な診療を提供しています。内視鏡検査をはじめとする先端の医療機器を駆使し、患者様の負担を最小限に確実な早期発見を目指します。
皆様の健康を守るために、定期的な検診や気になる症状がある場合の早めの受診をお勧めいたします。早期に治療を開始することで、治療の成功率が大幅に高まります。どうぞ安心して当クリニックにご相談ください。

胃ポリープ、食道がん、
胃がんの比較

胃ポリープ、食道がん、胃がんは、消化器に発生する病気であり、症状や原因が一部重なる部分もありますが、それぞれ異なる特徴を持っています。

項目 胃ポリープ 食道がん 胃がん
主な症状 多くは自覚症状なし
大きくなると吐血、
下血
飲み込みにくい、
胸やけ、
体重減少 進行すると、声がかれる、
呼吸困難
上腹部の痛み、
吐き気、
嘔吐、
食欲不振、
体重減少
原因 ピロリ菌感染、
遺伝、
生活習慣など
喫煙、
飲酒、
逆流性食道炎、
バーキットリンパ腫など
ピロリ菌感染、
遺伝、
食生活、
喫煙など
性質 多くのポリープは良性
一部はがん化の可能性あり
悪性腫瘍 悪性腫瘍
治療 ポリープの大きさや種類によって異なる。
内視鏡で切除する場合が多い
手術、
放射線治療、
化学療法など
手術、
内視鏡治療、
化学療法など

共通点

  • 上腹部痛や不快感を感じる場合がある
  • 食欲不振や体重減少を伴うことがある
  • 吐血や下血が起こることがある

相違点

胃ポリープ

多くの場合は自覚症状がなく、健康診断などで偶然発見されることが多いです。

食道がん

飲み込みにくさや胸やけなどの症状が特徴的で、進行すると声がかれるや呼吸困難などの症状が現れることがあります。

胃がん

上腹部の痛みや食欲不振、体重減少などが特徴的で、進行すると吐血や下血が起こることがあります。

食道がんとは

食道の粘膜、粘膜下層、さらに深い層(固有筋層・漿膜)に発生する腫瘍を総じて食道がんと言います。腫瘍が発生する粘膜によって扁平上皮癌やバレット腺がんなどと呼び方が異なり、食道がんの90%以上が扁平上皮癌です。
食道がんは、浸潤や転移によって進行します。浸潤とは食道に接する臓器へ広がることであり、転移とは血液やリンパ液を介して、離れた肺や肝臓などに腫瘍が発生することを言います。罹患者数は、1年間に10万人あたり20人ほどと言われ、男女別の罹患数は、男性が10万人あたり35.4人、女性では7.2人と、男性に多い傾向があります。

症状

初期症状は乏しいですが、以下の症状が現れることがあります。

症状

  • 食後に胸が痛む、沁みるような痛みがある
  • 嚥下障害
  • 背中の痛み
  • 声枯れ

など

なお無症状の場合でも、定期的な健康診断や人間ドックを受けていると発見される可能性が上がります。

原因

主に喫煙と過度な飲酒が原因となりますが、他には逆流性食道炎によって炎症を起こした食道粘膜が正常な組織へ修復されない場合も、食道がんの発症リスクが高まります。

検査

食道がんの有無や進行度を調べる各種検査を受けます。

食道内視鏡検査

鼻もしくは口から内視鏡カメラを挿入し、食道粘膜の凹凸や色などを近くで観察する検査です。
また内視鏡の先端を使って異常な組織を採取することも可能で、顕微鏡でがん細胞の有無を確定する病理検査を行えます。

上部消化管造影検査

内視鏡の先端から超音波を照射して、食道や食道に接する臓器の粘膜構造が乱れていないかを調べる検査です。 主に食道がんの深さや、周囲の臓器・リンパ節へ広がっているかを詳細に把握できます。

超音波内視鏡検査

鼻もしくは口から内視鏡カメラを挿入し、食道粘膜の凹凸や色などを近くで観察する検査です。
また内視鏡の先端を使って異常な組織を採取することも可能で、顕微鏡でがん細胞の有無を確定する病理検査を行えます。

CT検査・MRI検査

食道がんの進行度を知るために重要な検査です。 超音波内視鏡検査と同様に、がんの転移や浸潤の程度を判定できます。

腫瘍マーカー検査

血液を採取し、腫瘍から発生する物質の量を調べる検査です。 SCCが扁平上皮癌を、CEAが腺がんを示すと言われており、この物質量からがんの種類を特定できます。しかし早期診断の有効性は確立されていないため、他の検査と組み合わせて行います。

治療

当クリニックでは、食道がんの病期(ステージ)や症状から最適な治療方法を検討します。
例えば内視鏡的粘膜切除術、外科手術、化学療法、放射線療法、緩和療法などの選択肢から、患者様のご希望も伺いながら方針を決めていきます。治療についてご不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。

胃ポリープとは

胃ポリープとは胃ポリープは、胃の粘膜表面がイボのように盛り上がった腫瘤です。ポリープによる自覚症状はなく、健康診断などのバリウム検査や胃カメラで発見されることが多いです。また癌化した悪性ポリープと癌化していない良性ポリープのいずれかの可能性があるため、腫瘤の組織をつまんで調べる検査(生検)による分類が必要です。
なお良性ポリープであっても、癌化リスクの少ない胃底腺ポリープと癌化リスクのある過形成ポリープがあるため、経過観察や治療が必要な例もあります。
健康診断などで胃ポリープの指摘を受けた方は、お気軽に当クリニックへご相談ください。

症状

基本的に自覚症状は生じません。慢性胃炎を合併すると、胃もたれ、胃痛、食欲不振などが症状として現れることがあります。

原因

加齢、ピロリ菌感染、遺伝性、ストレス、暴飲暴食によって胃粘膜が荒れている際に、ポリープが生じやすくなると考えられています。

検査

当クリニックでは胃カメラ検査を第一選択とします。
胃カメラであれば胃粘膜の観察以外に、組織の採取、ピロリ菌検査を同時に行うことが可能です。
バリウム検査でも検査は可能ですが、ポリープの大きさ・発生部位・数によって影が生じ、病変を見落としてしまうことがあるため、慎重に使用しなければなりません。

治療

悪性ポリープについては、追加の精密検査を行ったのちに治療方法を検討することになります。
その他のポリープは、1cm未満であれば経過観察に留め、拡大傾向にあるポリープや2cm以上の大きさがある場合は内視鏡的粘膜切除術を検討します。

胃がんとは

胃がんは、胃壁の最も内側にある粘膜、外側にある粘膜下層、固有筋層、漿膜などに悪性腫瘍が生じる病気です。初期症状が乏しいと言われており、進行後の自覚症状によって発覚することも少なくありません。
特に40代後半から罹患者数が増え始め、年間約1万人のうち、女性は約21人に1人が、男性は約10人に1人が胃がんと診断されています。なお年間1万人から2万人の方が亡くなられていることも事実です。
しかし近年、検査や治療の技術が向上したこともあり、定期的な検診や受診によって発見されやすくなり完治するケースも増えています。
自覚症状の有無に関わらず検診を受け、日頃から体の状態を把握することが早期発見の鍵と言えるでしょう。

症状

胃がんは初期症状がほとんど見受けられませんが、進行してから食欲不振、みぞおちの痛み、胸やけなどが現れます。しかし、いずれも胃がん特有の症状ではないため、内視鏡検査による診断が必要です。

原因

主な原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌による炎症、胃への刺激が強い食生活習慣(喫煙、過度な飲酒、塩分の多い食事)とされています。
他には、胃炎や胃潰瘍の既往歴も胃がんのリスク因子として挙げられます。

検査

当クリニックでは胃レントゲン検査や胃内視鏡検査を行い、胃の状態を確認いたします。
胃レントゲン検査は、胃を膨らませる発泡剤と胃の状態を映し出すための造影剤を使用して、胃を膨らませてから撮影します。
胃カメラ検査は、内視鏡カメラを胃の内部へ挿入し、凹凸の少ない初期病変や出血の有無なども確認できる検査です。
いずれの検査も負担を最小限に抑える工夫をしておりますので、ご安心ください。

治療

胃がんの場合、内視鏡的粘膜切除術、外科手術、化学療法、放射線治療、薬物療法などが治療の選択肢です。主に病期(ステージ)や腫瘍の深さを指標としながら、患者様のご意向も含めて、治療法を決めていきますので、安心してご相談ください。

食道がん・胃ポリープ・
胃がんのよくあるご質問

逆流性食道炎と食道がんの見分け方を教えてください。

逆流性食道炎と食道がんは一部の症状が似ていますが、以下の点で異なります

  • 逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流することで、胸やけや酸っぱい味が口に広がることが特徴です。薬で症状が改善することが多いです。
  • 食道がんが進行するにつれて、嚥下困難(食べ物が飲み込みにくい)や持続的な胸の痛みが現れることがあります。これらの症状が続く場合は、内視鏡検査が必要です。

食道がんの生存率はどのくらいですか?

食道がんの生存率は、がんの進行度や発見された時期に大きく左右されます。早期発見された場合、5年生存率は比較的高くなりますが、進行がんの場合は低下します。特にステージが進むほど治療が難しくなり、転移がある場合は予後が悪くなることがあります。定期的な検査による早期発見が重要です。

食道がんになりやすい人はどんな人ですか?

食道がんのリスクが高い人には以下の特徴があります

  • 喫煙者: 長期間の喫煙は食道がんのリスクを大幅に高めます。
  • 過度な飲酒: アルコール、特に強いお酒を長期間飲み続けることはリスク要因です。
  • バレット食道: 逆流性食道炎による長期的な食道の炎症が原因で、食道下部にがんが発生することがあります。
  • 肥満: 肥満は逆流性食道炎を引き起こし、結果的に食道がんのリスクを高めることがあります。

胃ポリープは自然に消えますか?

多くの胃ポリープは自然に消えることがありますが、消えないものや増大するものもあります。特に腺腫性ポリープや大きなポリープはがん化するリスクがあるため、消えるかどうかは経過観察が必要です。医師による判断に基づき、定期的な内視鏡検査を行うことが推奨されます。

胃のポリープはほっておいてもいいですか?

胃ポリープは多くの場合良性であり、特に小さなポリープであれば経過観察が行われることが多いです。しかし、大きさや形状、増大傾向が見られる場合は、悪性化のリスクがあるため、内視鏡での切除が推奨されることもあります。医師の指示に従って定期的に検査を受けましょう。

胃ポリープはなぜストレスで発生するのですか?

ストレスが直接的に胃ポリープの原因になるわけではありませんが、ストレスによる胃酸の過剰分泌や消化機能の低下が、胃の粘膜を傷つけ、ポリープ形成の一因となる可能性があります。また、ストレスが免疫機能を低下させることで、胃の健康状態に影響を及ぼすことがあります。

胃ポリープは癌化しますか?

胃ポリープにはいくつかの種類があり、その中で「腺腫性ポリープ」はがん化するリスクがあります。特に、大きさが10mm以上になるとがん化の可能性が高まるため、定期的な経過観察や場合によっては切除が推奨されます。一方、「過形成性ポリープ」はがん化のリスクが低いため、通常は経過観察のみで十分です。ただし、正確な診断には内視鏡検査が必要ですので、専門医に相談し適切な管理を行うことが重要です。

胃がんの前兆はありますか?

胃がんの初期段階ではほとんど症状が現れないことが多いですが、進行するにつれて以下のような前兆が見られることがあります。

  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 胃の不快感や痛み
  • 早期満腹感
  • 吐き気や嘔吐

これらの症状がある場合、胃がんの可能性を確認するために、内視鏡検査を受けることが推奨されます。

胃がんはどうやって気づくのですか?

胃がんは初期症状が少ないため、内視鏡検査で発見されることが一般的です。自覚症状がない段階での定期検査が胃がんの早期発見に有効です。症状が進行すると、上記の前兆が見られることがありますが、特に中高年の方やピロリ菌感染が確認された方は定期的な検診が推奨されます。

20代や30代で胃がんになる可能性はありますか?

胃がんは一般的に高齢者に多い病気ですが、20代や30代でも発症する可能性があります。特にピロリ菌感染や、遺伝的要因がある場合は若い世代でもリスクが高まります。若年層であっても、症状が気になる場合や家族に胃がんの既往がある場合は検査を受けることをお勧めします。

胃がんや食道がんの検査は痛いですか?

胃がんや食道がんの検査では内視鏡検査が一般的です。内視鏡検査は多少の不快感を伴いますが、当院では鎮静剤を使用することで、できるだけ患者様の負担を軽減しています。痛みはほとんど感じませんので、安心して検査を受けていただけます。

胃がんや食道がんの予防法を教えてください。

胃がんや食道がんの予防法には、以下の対策があります。

  • 禁煙: 喫煙は両方のがんのリスクを高めます。
  • 適度な飲酒: アルコールの過剰摂取は食道がんのリスク要因です。
  • ピロリ菌の除菌: 胃がんの予防にはピロリ菌除菌が有効です。
  • 健康的な食事: 野菜や果物を多く摂り、塩分や脂肪の摂取を控えることが推奨されます。
  • 定期的な内視鏡検査: 早期発見が最も有効な予防策です。